最近、韓国で『安倍、なぜ韓国を倒そうとするのか』というタイトルの本が出版された。
実はこれ、ただの反日本ではない。著者は、韓国人の政治学者、保坂祐二氏。
名前を見ればお分かりいただけると思うが、日本出身で韓国に帰化した御仁なのだ。

「安倍晋三は、第2のヒトラーになろうとしている」なんて主張しているそうだが、いくら何でもそりゃ言い過ぎじゃないの。
一体、この人、何者なのか。早速、本の一部を紹介すると、

「日本は昔から、自国がアジアで最も影響力のある国として君臨することを願ってきた。そのため、朝鮮半島を日本の支配下に置き、
アジア大陸進出のための足がかりにしようとした」

「安倍晋三は、第2のヒトラーになろうとしている。その手段は、人事権掌握と改正憲法の緊急事態条項だ。
嫌韓・極右勢力という彼の親衛隊が助力者の役割を果たしている」

9月19日付韓国の「毎日経済」電子版は、保坂氏の新刊を紹介。その記事を要約すると、
〈韓日問題専門家の保坂祐二教授は、安倍政権が1945年以前の大日本帝国を復元するため、そのシナリオを進めていると主張する。
安倍政権は、大日本帝国を復活させるために、「独裁」の道へ突入、残酷な侵略と戦争を起こす可能性があるという。

保坂教授はこのような兆候を数年前から強く感じていた。嫌韓デモを主導する極右集団が現れ、
安倍晋三という極右政治家が長年の間、総理の座に居座るという異常な現象が日本で日常化してしまった。

そして、大日本帝国の復元を実現する第一段階として、韓国を脅かし始めていると主張する。
ヒトラーがユダヤ人を敵と見なし、ドイツ人の怒りと不満の噴出口にしたように、安倍政権は韓国をいけにえにして日本国民の怒りと不満を噴出させようとしている。
強制徴用工問題が解決されても、韓国を敵と見なす安倍政権の態度は簡単に変わらないだろうと保坂教授は見ている。

日本の極右勢力にとって、大日本帝国を復活させるのに、安倍ほど適した人物はいない。
安倍総理は、第2次世界大戦のA級戦犯として逮捕された日本極右派の元祖・岸信介の外孫だ……〉

「9月20日付のハンギョレ新聞に、この本の広告が彼の顔写真付きで一面に出ていました」
と語るのは、産経新聞ソウル駐在特別記者の黒田勝弘氏である。

「保坂氏は、2003年に韓国に帰化していますが、韓国では韓国人以上に日本批判をするというので、特異な存在になっています。
日韓間で何かあるたびにテレビに呼ばれていましたが、昨今の緊迫した日韓関係では、もう引っ張りだこですよ」

黒田氏は、保坂氏と韓国のテレビに出演したことがあるという。

「テレビ討論で、2回ほど保坂氏と一緒に出演しましたが、彼があまりにも過激な日本批判をするので、
一緒にテレビに出た親日派の韓国人から、『それは言い過ぎ』と指摘されたこともありました。

例えば、安倍首相が安保法制を強行したことについては、『朝鮮半島が有事になったとき、
自衛隊を出動させ、独島(竹島)を軍事的に占領する。奪うための布石です』と言うのです。

韓国人コメンテーターは成程と頷いていました。今の日韓関係については、『安倍政権は、韓国に経済的打撃を与えて、植民地化しようとしている』と。
彼は、韓国人になったのだから、韓国に忠誠を誓わないといけない。その忠誠心を過剰に見せようとしている感じですね。
メディアにちやほやされ、また、韓国の愛国者と言われて、ちょっとのぼせあがっているわけですよ」

保坂氏は東京都出身。東京大学卒業後、日本の韓国併合に疑問を持ち、韓国の高麗大学に留学し、大学院まで進んで政治学博士号を取得。
1988年から世宗大学の教員になり、現在は世宗大学教授である。

「保坂氏は、世宗大学では日本語を教えていて、そのうち、竹島(独島)の研究を始めるようになった。日本の図書館で竹島が韓国領であるとする資料を漁って、
それを韓国のメディアに見せて注目を集めるようになった。なにしろ独島は、韓国では愛国のシンボル的存在です。

独島に関わると、愛国者とみなされる。保坂氏も世宗大学に独島の研究所をつくってもらっています。独島の研究所があれば、政府から補助金が出るし、大学のPRにもなる。
独島研究家として売り込み、10年くらい前から韓国内で注目されるようになりました」

保坂氏は、文在寅大統領のブレーンも務めているという。
https://www.dailyshincho.jp/article/2019/09291131/?all=1&;page=1