「不良な衛生状態の給食がどうして子どもたちの口に入ったのか、徹底して解明しろ」

 2年前に教育当局に向かってそう叫んでいた正義党大田市支部の幹部が身体障害者向けの夜学を直接経営し、周辺の学校から給食で残った米飯とおかずをもらい受け、夜学の給食として出し、政府の補助金を着服していたことが判明。警察が捜査に着手した。

 教育部国立特殊教育院と大田市教育庁によると、障害者向け教育施設「ハンウル夜学」は昨年4月から周辺のA高校から給食で余った食べ物の一部をもらい受け、障害者の学生に出していた。今年7月からは政府が支援する市・道別障害者生涯教育機関モデル運営事業に選定され、政府の補助金を受け取っている。11月までに総額6000万ウォン(約538万円)規模だ。補助金を受給しても、同施設は周辺の高校で余った食べ物を給食に使い続けた。給食の余りを夜学に支援していたA高校の校長は「支援が必要だとの要請があり、善意で給食の一部を支援したのだが、こうして利用されるとは思わなかった」と話した。

 ハンウル夜学は給食業者から実際には給食を調達していないにもかかわらず、政府補助金で代金決済だけを行い、その上で返金を受けていた。共謀した給食業者も正義党に関連があり、同党大田西区地域委員長のJ氏が理事長を歴任した団体だ。ハンウル夜学はこうした手口で総額233万ウォンを着服した。ハンウル夜学は政府の支援金のうち、講師費用400万ウォンも着服した疑いが持たれている。講師を虚偽登録し、政府支援金で費用を支払った後、人材派遣業者からキックバックを受け取る手口だったとされる。

ハンウル夜学は正義党幹部が経営している。キム・ソヨン市議(正しい未来党)が入手したハンウル夜学の「2019年度運営委員目録」によると、運営委員9人のうち4人が正義党で活動した経歴の持ち主だ。運営委員長は金潤起(キム・ユンギ)正義党大田市党委員長(45)だ。金委員長は昨年正義党の候補として大田市長選に出馬し、「障害者など社会的弱者を市政の中心に置く」と主張した。正義党大田市支部の広報担当者(49)や同党世宗市支部の副委員長(49)は運営委員を務めている。金委員長と広報担当者は2016年に大田市の鳳山初等学校で起きた給食問題の当時、教育当局を非難する集会を開いた。金委員長らは当時、「学校給食全般について再チェックし、健康な学校給食を提供するための制度をつくるべきだ。教育行政の第一の目標は子どもたちを健康に育てることだ」と発言していた。

 ハンウル夜学は「全ての事実を認め、代表ら運営陣は辞任する」と説明した。ただ、夜学側は「食べかすレベルの物ではなかった。転用した給食費は障害者学生の交通費、講義材料費に使い、残りは通帳にある」と主張した。金委員長は「自分は直接関連がなく、不当利得もない」と述べた。国立特殊教育院から障害者生涯特殊教育モデル事業の管理監督を委託されている中部大産学協力団はハンウル夜学を警察に告発した。

チェ・ウォングク記者

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/09/27/2019092780144.html
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 2019/09/29 20:00