11日から15日まで韓国に行ってきた。(中略:韓国の様子)

8月、韓国ではちょうど日本の輸出規制発表、すなわちホワイト国除外のため、どこへ行っても韓日関係専門家が多かった。10月にはチョ・グク前法務部長官人選をめぐる政局のためか、政治、検察、言論専門家だけで数百人に会ったようだ。

ある一つのタームが終われば数多くの専門家が誕生する。もちろん彼らの話には間違った部分もあるだろうが、それでも社会に広がる様々な仕事に関心を持って積極的に探し、最後には集会まで「大規模」に参加する。

韓国程の大きさでこれほどまでダイナミックな国および市民はないだろう。振り返ってみれば以前からそうだった。国民みんながフィギュア専門家になったり、英国プレミアリーグを丹念に覚えるサッカー専門家があふれる時期もあった。白眉は選挙シーズンだ。タクシー運転手は最高の選挙専門家になって乗客の教授との討論で勝つこともある。

この言葉で説明するのが難しい伝統遊びを全体主義やファシズムと片付ける識者層もあるが、少なくとも政界では絶妙の均衡感覚を見せた。92年以後、保守政権が3度、中道保守政権が3度執権したからだ。

一年に2回ほどこのように韓国を楽しんで日本に帰ってきたら以前は安心する気持ちだった。韓国ではすべての面で熱気が過剰に感じられたからだ。短い滞在期間の間、強い刺激を多く受けたら静かでのろのろした日本が懐かしくなる。

ところが今年から到着を知らせる成田空港の案内放送が苦しく感じ始めた。降りるやいなや「いつ再び韓国に行けるだろうか」という工夫さえする。今回もそうだった。

帰国するやいなや日本の取引先の人に会った。韓国に行ってきたという話をすると彼は直ちにチョ・グク前長官の話を持ち出す。12日、瑞草洞(ソチョドン)集会も日本放送で見たと言って「チョ・グクが世論に押されて辞退するのを見れば韓国社会はシステムより世論に押されて決めるようで、人々も政治に没入しているようだ」と話す。

率直に言って笑わせた。この人は自分の国の法務大臣が誰か知らない。小泉進次郎の発言が海外で皮肉の対象になっていることも当然知らず、彼を次期総理の器と考えている。台風で福島の除染廃棄物が流失した事実も知らず、そんなニュースを探すつもりもない。それで隣国の法務部長官とシステム、国民性を論じる皮肉。このような人が数百、数千万人いる。

最近、ユニクロの柳井会長が「日本が滅びつつある」と言い、ソフトバンクの孫正義会長は「技術日本が消えた感じ」と危機感を表わした。この話の前後の脈絡をよく調べれば政治権力問題を言っている。政権は山積した国内問題より外部に気を使う。政権の忠実なスピーカーである民間放送は視聴率のために一日中、韓国を扱う。そうするうちにノーベル賞日本人受賞者発表でもあれば特筆大書する。

ところが、それらはみな80年代末の豊かなバブル時期に開発され研究されたものだ。その後の時期、すなわち「失われた30年」は果たしてどうだろうか?実際、そうではないから孫正義の様な人が心配するのだろう。

あれこれ色々複雑で息苦しい気がするが、あえて取引先の日本人には言わなかった。彼に誤りは一つもなく、何より私にとっては「甲」であるからだ。彼の台風被害にあった建物は熱心に復旧して差し上げるつもりだ。ありがとうございます。お客様。

パク・チョルヒョン日本テツヤ工務店代表
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出処:ソウル新聞(韓国語)[パク・チョルヒョンの異邦社会]私が分かった日本でない
http://m.seoul.co.kr/news/newsView.php?id=20191022030004