爆撃機・戦闘機など6機が同時出撃、韓国の防空識別区域へ無断侵入

2機は西海まで異例の飛行…韓国の戦闘機およそ10機が対応出撃

 戦略爆撃機や戦闘機などロシア軍機6機が22日、韓国の防空識別区域(KADIZ)に6時間近く無断侵入し、韓国の戦闘機およそ10機が、緊急発進した。韓国軍の合同参謀本部(合参)が明らかにした。ロシア軍機のKADIZ無断侵入は今年だけでも20回目、と韓国軍は発表した。中国に続きロシアまでKADIZでの攻勢的活動を増やしていることから、韓国が周辺大国から「軽く見られている」という懸念が持ち上がっている

 ロシアはこの日、KADIZへ侵入するだけにとどまらなかった。KADIZに無断侵入したロシア軍機のうち戦略爆撃機2機は、東海と済州島南方を経て西海の忠清南道泰安半島付近まで飛行したことが判明した。韓国軍は警告放送など対応に乗り出したが、ロシア軍機はものともせず、韓半島を包み込むように飛行したのだ。韓国軍関係者は「ロシアが東海のKADIZに無断侵入することは多いが、東海・南海を経て西海まで飛行するのは異例」と語った。ロ軍機が一度に6機も出動してKADIZへ無断侵入し、このうち一部が西海まで飛行するというのはまれ、と韓国軍関係者は明かした。

 韓国軍の対応出撃にもかかわらず、ロシアが韓半島付近で6時間近く作戦を行ったことを巡り、韓国軍内外からは「韓国を透明人間扱いした」という声が上がった。シン・ウォンシク元合参次長は「最近の韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)破棄など韓米間に生じた隙を狙って、ロシアが『味見』をした」として「意図的な挑発であって、北朝鮮・中国だけでなくロシアも韓国に影響を与えることができると誇示する行動」と語った。朴元坤(パク・ウォンゴン)韓東大教授は「韓米日三角安保協力が以前のようではないことをロシアが見抜き、今後もこうした挑発は続くだろう」と語った。ロシア国防省は22日、声明を出して「(ロシアの)パイロットは国際規範を徹底して順守した」と表明した。

 ロシア軍機は22日、KADIZだけでなく日本の防空識別区域(JADIZ)にもたびたび無断侵入した。これは、米国が中距離核戦力(INF)全廃条約脱退後、韓日などを中距離ミサイル配備の候補地として検討している状況と関連があるという分析も出ている。ロシアは、米国のこうした配備の動きに強く反発してきた。ロシア軍機がKADIZとJADIZを出たり入ったりしていた時刻、東京では天皇の「即位礼」が開かれていた。

ユ・ヨンウォン軍事専門記者

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/10/23/2019102380038.html
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 2019/10/23 10:20

関連
【ロシア機】 また韓国防空識別圏に=戦闘機緊急発進[10/22]
https://lavender.5ch.net/test/read.cgi/news4plus/1571725458/