韓国で刺身用に愛されているヒラメの価格が暴落している。ノルウェー産のサケ、日本産のブリに押されている上、日本の検疫強化で輸出にも暗雲が漂っているためだ。

韓国の養殖ヒラメの60%を生産する済州特別自治道は5日、10月28日から済州魚類養殖水協(漁協)と共同で養殖場359カ所で中間サイズ(400−600グラム)のヒラメ200トンの廃棄処理を開始したと明らかにした。

これに先立ち、水協は成長しきったヒラメが売れず、35億ウォン(約3億3000万円)をかけ、1キログラム級の成魚312トンを冷凍処理した。ヒラメが水槽内でエサを食べまくり、費用がかかるためだ。水協はまた、軍に納入するヒラメを前年比70%多い198トンに増やした。

済州ではヒラメ1キログラムの卸売価格が2017年10月の1万6632ウォンから今年10月には8441ウォンと半額に下落した。生産原価である1万ウォンにも満たない水準だ。

ヒラメは最近ノルウェー産サケ、日本産ブリの輸入量増加による直撃を受けている。追い打ちをかけるように、最近日本で韓国産ヒラメに対する検疫が強化され、輸出ルートも途絶えている。

韓国の養殖ヒラメを輸入する日本は今年6月、韓国産ヒラメの検疫費用を20%から40%に引き上げた。ヒラメに含まれる「クドア」と呼ばれる粘液胞子虫類による食中毒の可能性が指摘されたためだ。

年初来、韓国の流通業者は相次いでヒラメの販促イベントを開いている。イーマートは6日までヒラメの刺身(約450グラム)を通常の3万9800ウォンのところ、4割引の2万3500ウォンで30トン販売する。

ロッテマートも同日までヒラメ1匹を10年前の価格水準の1万7800ウォンで販売することを決めた。


2019/11/06 08:20/朝鮮日報日本語版
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/11/06/2019110680004.html