時価総額、宿敵アリババに900億ドル余り後れを取る
テンセントは13日に7−9月期決算を発表−純利益の伸びほぼなしか

ちょうど1年前、中国ソーシャルメディア界の巨大企業テンセント・ホールディングス(騰訊)は中国企業なら誰もがうらやむような取引をまとめた。米プロバスケットボールNBAの試合を国内で独占ストリーミング配信する15億ドル(約1640億円)の5年契約だ。だが、たった1本のツイートが全てを変えてしまった。


  ヒューストン・ロケッツのゼネラルマネジャー(GM)が民主化拡大を求める香港の抗議活動を支持するツイートをしたことでNBAは中国メディアから締め出された。昨年の厳しい業績から回復に向かっていたかのように見えたテンセントだが、試合の配信中止を余儀なくされ、2019年も期待外れの1年となる恐れがある。


  試合中継停止でリスクにさらされるのは、巨額の広告・配信サービス収入に加え、ゲームを超えたオンラインのエンターテインメント企業を目指す同社の戦略だ。  


  上海のコンサルティング会社、チャイナ・スキニーの創業者でマネジングディレクターのマーク・タナー氏は「中国の大手企業は全てを政治的に完璧にする。そのためにコントロールのできない政治的な問題で巨額の利益を失う立ち位置にある」と指摘する。

  ソーシャルメディアの「微信(ウーチャット)」を展開するテンセントの時価総額は4月のピーク時から860億ドルを失い、同社の株価は10月に重要な支持線を試す展開となった。今年は宿敵であるアリババ・グループ・ホールディングの株価動向に大きな後れを取っており、時価総額の差は900億ドル余りに開いた。
  中国で投資家のセンチメントが全般的に悪化していることに加え、NBAの試合中継ストリーミング再開はテンセントに裏目に出るとの懸念もある。同社が13日発表する7−9月期の決算では、純利益の伸びはほとんどないと予想されている。

ソース
Bloomberg LuLu Chen 2019年11月12日 22:46 JST
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-11-12/Q0UPBET0G1L301