こうした状況を踏まえ、古谷氏はネット右翼的な言動に対する法的な規制の必要性を強く主張する。個人としても、該当するアカウントの凍結を目指して個別に通報するなどの運動を展開しているという。

 「確かに5年くらい前にも"ネトウヨ黙殺論"はあったし、僕もそう思っていた。しかし現実には名誉毀損訴訟があり、法務省がヘイトスピーチ撲滅週間を実施し、ヘイトスピーチ対策法もできた。もう司法も行政も黙って放置しておくわけにはいかないという流れだ。ネット右翼は数としても大体200〜250万人くらいいると推定していて、決して無視できない。今日は韓国、明日は中国、明後日は靖国、その次は東京裁判、その次は従軍慰安婦…と回転寿司のようにネタが回っているので、そのうち飽きて出ていってしまう人もいるが、それでも大気の循環のように何年も前の動画を見て、入ってくる人が同時にいる」。

 さらに「書店で保守系雑誌を見てみと、"韓国人は嘘つき民族だ。中国人は5000年前から嘘つきだ"というような、吐き気がするようなものが堂々と流通しているし、新聞の広告にも堂々と載っている。そして高齢者がこれを読む。異常だと思うし、だからバカバカしくて、そういう業界とは縁を切ったこういうものが言論だとは私は一切認めない。本当の右翼はアジア主義者だったり、国粋主義者だったりする。それで言えば、私は今も右翼だ。ネット右翼はただの差別主義者だ。誰とは言わないが、与党の国会議員の中にもデマや差別的発言をしている。今は個別に名誉毀損なり侮辱罪でやっていくしかないのかもしれないが、ヘイトスピーチ対策法を発展させて、公の場で本邦出身以外の人に対するヘイトスピーチをした場合は罰を与えるということをしないといけない」と強調した。