米国務省は20日、韓国政府が北朝鮮への個人観光を推進する意向を示したことについて、「南北の協力は必ず非核化の進展と歩調を合わせなければならない」と語った。

 国務省関係者は記者団の質問に対し、「米国は南北間の協力を支持し、南北協力が必ず非核化の進展と歩調を合わせて進むようにするため、米国の同盟国である韓国と調整している」と答えた。これは非核化の進展なしに南北協力を急ぐべきではない点を強調したと受け止められている。

 米国のハリス駐韓大使は最近、南北協力事業について、「米国と協議すべきだ」と述べた後、韓国の与党勢力から「主権侵害」だとして攻撃を受けた経緯がある。国務省は前日、その点に関する本紙の質問に対し、「南北協力は韓米の作業グループを通じて調整、協議を行う」とする同じ趣旨の回答を寄せた。

 専門家も個人観光に批判的な立場だ。対北朝鮮制裁の専門家であるジョシュア・スタントン弁護士はツイッターで、「金剛山観光は歴史的に(金正恩=キム・ジョンウン=の秘密資金を管理しているとされる)朝鮮労働党39号室が運営してきた。39号室は国連と米財務省による制裁対象に指定されている」とした上で、「(観光)収益が制裁対象に渡らないという明確な証拠がなければ、それは制裁違反だ」と指摘した。個人観光であっても、対北朝鮮制裁の対象と取引を行うもので、問題になり得るとの認識だ。

 ジェームス・ズムワルト元米国務次官補代理(東アジア・太平洋担当)は米VOA放送に出演し、「現時点では北朝鮮が南北協力を増進するに足りる正しい方向へと向かう措置を取った兆候はない」と断じた。

ワシントン=趙儀俊(チョ・ウィジュン)特派員

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朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 2020/01/22 09:40