イタリア北部の都市ミラノとコモ湖の中間点に位置する集落カッサーゴ・ブリアンツァで工業用品店を営むジョバンニ・カジラギさんが
24日朝に店を開くと、客の長い列ができていることに驚いた。

客は全員、工業用マスクを求めていた。わずか30分足らずのうちに、500余りのマスクが売れたという。

71歳のカジラギさんは、「工業用品の店であり、顧客のほとんどが顔見知りなので、初めての客が工業用マスクを買い求めたことに驚いた。
防護マスクがまだ置いてある店は少なくなっていたと聞いた。パニックは発生場所から遠く離れたこの辺りでも広がっている」と語った。

イタリアでは政府が新型コロナウイルスの感染拡大阻止で広範な措置を講じているものの、既に死者6人、感染者229人と欧州で最も深刻な状況だ。
同国の金融ハブであるミラノの一部と、工業が盛んなロンバルディア、ベネト両州が事実上封鎖され、経済の原動力が休止状態に近づいている。

経済的に繁栄しているベネチアからミラノに至る地域は人口1500万人近くで、イタリアの国内総生産(GDP)の約3分の1を占めており、
ここで経済活動が停滞すれば経済全体に深刻な影響が及ぶ可能性は高い。

イタリア経済は新型ウイルスの感染拡大前からリセッション(景気後退)に向かっていたため、一層の打撃となる。

メディオバンカのアナリストらは感染拡大について、「一連のニュースは確かに懸念材料だ。
早急に解決されない限り、経済活動を圧迫する公算は大きい」と指摘した。
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