ペンシルベニア州知事のトム・ウルフ氏は2月4日、州議会(州都ハリスバーグ)における予算演説で、ペンシルベニア州競馬振興資金(Pennsylvania Race Horse Development Fund)からのレース賞金と生産者ファンドへの支払いを打ち切り、
その2億400万ドル(約224億4,000万円)を大学奨学金制度に支出することを提案した。

 ペンシルベニア州ホースマン救済協会(Pennsylvania Horsemen's Benevolent and Protective Association:PHBPA)の専務理事であるトッド・モストラー(Todd Mostoller)氏は、
競馬界・生産界にとってその措置が何を意味するかについて、ストレートに「我々は失業してしまうでしょう」と述べた。

 モストラー氏はレース賞金と生産振興を支援するために、競馬場に設置されたゲーム機の収入を利用して資金を作り出すのに一役買ってきた。

 同氏は、州議会が州知事の提案をそのまま進めることはないと考えており、「その提案が可決される可能性は低いと思います。上院と下院のいずれにも競馬擁護派がいます」と述べた。

 ウルフ州知事(ヨーク郡選出・民主党)はペンシルベニア州で高等教育を受ける学生たちを支援する奨学金制度を創設したいと考えており、
そのために競馬界・生産界に現在支出されている資金を使うことを検討している。そして2月4日の予算演説において、州議会議員に対してこう語った。

 「州立大学で学ぶ若者のための奨学金制度に、2億ドル(約220億円)という歴史的な投資を提案します。これにより2万5,000人の学生が借金に苦しむことなく学位を取れるようになります。
ペンシルベニア州競馬振興資金に現在充てられている税収入を奨学金制度に向けることでそれを実現しようと考えています。
馬主への財政援助ではなく子供たちの将来に賭け、ペンシルベニア州の高等教育の継続性を確かなものにしましょう」。

アメリカだって苦しい時期に教育重視に金を回す選択

さて、同盟国の日本は…自己責任で済ませていいのかな?