忠清道の韓国陸軍部隊で、男性下士官らが上官である男性将校に対しわいせつ行為に及んだという疑惑が持ち上がり、軍事警察が捜査に着手したことが14日までに分かった。下士官らは「親しい関係を表現したもの」だとしたが、韓国軍内外からは、このところ相次ぐ軍紀紊乱(びんらん)が「下克上」に飛び火した、という声が上がった。

 韓国陸軍によると、事件は今年3月、この部隊の独身者宿舎で起きた。韓国軍関係者は「一緒に酒を飲んでいた下士官4人が、一人で勉強中だったA中尉の宿所を訪れ、体の主な部位を触るなど強制わいせつ行為に及んだことを把握した」と語った。B中士(軍曹に相当)が強制わいせつ行為を主導し、ほかの下士官らはこれに同調した。しかし下士官らは「平素から親交があったA中尉に親近感を示す過程で身体接触を行ったもの」と主張しているという。

 A中尉は国防ヘルプコールにわいせつ行為を通報したが、数時間後に取り下げた。このため「通報取り下げ強要疑惑」が持ち上がった。韓国陸軍は「将校本人が通報を取り下げたものであって、部隊側で通報取り下げを強要した状況はない」とした。韓国軍は、性的羞恥心を誘発する行動があったのであれば強制わいせつだけでなく上官侮辱でも処罰できる、と表明した。

 韓国軍からは、繰り返される軍紀の弛緩(しかん)と今回の事件は無関係ではないと指摘する声が上がった。最近では、現役1等兵が違法わいせつ物をシェアしてきた「博士部屋」の共犯だと判明した。この兵士は、携帯電話を用いて服務中も関連の活動を続けてきたことが分かった。また先月7日には、済州海軍基地に民間人デモ隊2人が鉄条網を切断して無断侵入し、何ら制止されることなく2時間近く基地を歩き回るという事件もあった。

梁昇植(ヤン・スンシク)記者

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朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 2020/04/17 19:01