■米ホワイトハウスが対中戦略報告書を公開

■青瓦台の金鉉宗次官「米中対立は頭が痛い」


米ホワイトハウスは21日(現地時間)、米国の国防守権法に基づいてトランプ大統領が議会に提出した報告書「米国の対中戦略的アプローチ」を公表した。中国の政治・経済・安全保障面での挑戦に対抗し、米国の国益をどのように守るかを整理した16ページからなる報告書だ。

報告書は中国の習近平・国家主席を念頭に、中国の挑戦への対応策として友邦国との協力を強調した。「複数の同盟国」という言葉を15回、「パートナー」は19回使用されている。今後は韓国に対しても米国からの対中協力要求がさらに強まるものとみられる。

報告書は「中国における政治改革は萎縮した」「習主席が再任の制限を撤廃し、終身執権を可能にしたことがその典型的な事例」と指摘した。

さらに習主席について「資本主義は必ず滅亡し、社会主義が必ず勝利する」と発言した点などを例として上げ、中国が個人の生存権、自由、幸福追求権など民主主義的な価値にとって脅威になっている点も取り上げた。

習主席の主な業績の一つとされる「一帯一路(中国中心の新シルクロード構想)についても「他国の企業を犠牲にし、世界市場で中国企業の立場を強化する努力の一環」と批判した。「中国は一帯一路事業を通じて不当な政治的影響力と軍事的接近権を得ようとするだろう」との見方も記載された。

報告書には「全世界の模造品の63%以上が中国に由来する」「中国は毎年350万トンのプラスチックを海に捨てる最大の海洋汚染源」との表現もあった。

米国による「インド・太平洋戦略」と協調できる他国の政策も一つ一つ例にあげた。日本による「自由で開かれたインド・太平洋ビジョン」、台湾の「新南方政策」などと共に、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の「新南方政策」も例として取り上げられた。

米中対立が深まったことで、韓国政府も頭を痛めている。

青瓦台(韓国大統領府)の金鉉宗(キム・ヒョンジョン)国家安保室第2次長は22日、国会で開催された与党・共に民主党の当選者向けた講演で「米国の大統領選挙を前に、米中対立が激しくなっているのは頭が痛い」と述べたという。

金次長は「ポスト・コロナの時代において、米中対立は結局は主導権争い」として「簡単に終わる戦いではなさそうであり、わが国の国益上、重要かつ困難な課題」とも指摘したという。

共に民主党の関係者は「金次長は『われわれは米中の間でジレンマを抱える状況にある』という趣旨の言及も行った」と伝えた。


2020/05/23 08:20/朝鮮日報日本語版
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