【ニューヨーク、北京時事】中国の習近平国家主席は22日の国連総会一般討論のビデオ演説で、二酸化炭素(CO2)排出量を2030年までに減少に転じさせ、CO2排出量と吸収を均衡させ実質ゼロとするカーボンニュートラルを「60年までに実現するよう努力する」と表明した。世界最大のCO2排出国である中国が、排出量実質ゼロを目指す努力目標を公表したのは初めてとみられる。
 トランプ米政権は地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」から離脱しており、米中対立が深刻化する中で、習氏は環境問題で国際社会に協調する姿勢をアピールした形だ。ただ、具体的にどう実現するかは明らかにしなかった。
 習氏は演説で「人類は大自然からの度重なる警告を無視し、発展を語るだけで保護を語らないという古い道を進むことはもはやできない」と強調した。一方、習氏に先立ちビデオ演説を行ったトランプ氏は「中国は米国の2倍もの温暖化ガスを排出している。米国は昨年、どのパリ協定加盟国より排出量を減らした」と主張した。

時事ドットコム 2020年09月23日09時15分
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