新型コロナウイルス感染症のワクチン開発をめぐり、機密情報を持つ日本国内の組織に対し研究内容を盗み取ろうとするサイバー攻撃が仕掛けられていたことが19日、情報セキュリティー会社への取材で分かった。国内で攻撃が確認されたのは初めてとみられ、中国のハッカー集団の関与が疑われている。情報流出の報告はないという。

 米情報セキュリティー会社「クラウドストライク」によると、4月以降、日本国内の複数の組織に対し断続的な攻撃があり、新型コロナに関係する内容の電子ファイルにコンピューターウイルスを忍ばせてメールを送り付ける手法を確認した。狙われた具体的な組織名は明らかにしなかったが、使われたツールの特徴などから犯人は中国のハッカー集団の可能性があると分析している。

 英国、米国、カナダの3カ国は7月、コロナワクチンを開発する自国の研究機関に対し、ロシアの情報機関と関係のある組織からサイバー攻撃を受けたとする報告書を公表した。ロシア当局は関与を否定している。

産経ニュース 2020.10.19 09:50
https://www.sankei.com/economy/news/201019/ecn2010190005-n1.html