【ソウル】

北朝鮮は途上国へのワクチン普及を進める国際組織「Gaviワクチンアライアンス」に対し、新型コロナウイルスのワクチン供給を申請した。事情を知る関係者が明らかにした。
 
Gaviは北朝鮮からの申請に関するコメントを控えた。だが報道官は、Gaviでは各国の要求を精査しており、今年の早い段階で最新情報を提供できる見通しだと述べた。
 
複数の関係者によると、北朝鮮はここ数週間で欧州数カ国の大使館に連絡し、コロナワクチンの入手方法を問い合わせた。

コロナワクチンの共同出資・購入の世界的枠組み「COVAX(コバックス)」はこれまでに、低・中所得の92の国・地域に供給するワクチンを少なくとも13億回分確保した。この対象国には北朝鮮も含まれている。

北朝鮮がこれまで報告したコロナ感染者数はゼロ。金正恩政権はコロナ対応は国家の存亡にかかわる問題だとの認識を示し、国境封鎖や外国との往来禁止に踏み切っている。
 
世界保健機関(WHO)によれば、北朝鮮では昨年12月17日までに約1万2000人にコロナ検査を実施し、隔離した人は数万人に上る。医療専門家や外国政府関係者の間では、感染ゼロは事実ではないとの見方が出ている。


2021 年 1 月 4 日 21:34
https://jp.wsj.com/articles/SB12452364451294094651504587201043091544450