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 国際新聞編集者協会(IPI)のバーバラ・トリオンフィ事務総長は「メディアに懲罰的損害賠償を求めることができる法律が導入され、言論の自由が制限されるならば、韓国を『コロナ流行期にメディア規制を導入した国』のリストに追加する」と述べた。韓国与党共に民主党はメディアの報道に最大3倍の懲罰的賠償を課す法案の制定を推進している。「フェイクニュースを防止する」という名分だが、実際には批判的なメディアにさるぐつわをはめる意図だ。

 IPIは全世界100カ国の新聞、放送の発行人、編集者らが会員として加盟している最も影響力があるメディア団体だ。現在IPIの言論統制国リストにはロシア、フィリピン、タイ、カンボジア、ヨルダン、ルーマニア、アゼルバイジャンなど17カ国が含まれている。トリオンフィ事務総長は「これらの国はいわゆる『フェイクニュース防止法』を言論統制手段として使っている。韓国も問題となる状況であり、注視している」と述べた。世界10位以内の経済大国であり、民主主義国である韓国が独裁・低開発区と並んで言論統制国の汚名を着せられる格好だ。

 ロシアは公共の安全に深刻な問題を生じさせる誤った情報を流布した場合、最大1億5000万ウォン(約1440万円)の罰金を科し、国家に害となる文章を削除しないウェブサイトを遮断する法律も制定した。ハンガリーはコロナ対策を妨害する情報を広めた場合、罰金と懲役刑を科す法律を可決した。何が誤報で害に該当するのか基準すら明確ではない。

 文在寅(ムン・ジェイン)政権が推進している法律も同じだ。虚偽または不法な情報で損害を受けた場合、懲罰的賠償を命じるとしているが、それを判定する基準がない。インターネットのフェイクニュースだけが対象だと言っていたら、メディアもポータルサイトも全て対象に含めた。

 常にフェイクニュースを広めた張本人はむしろ与党関係者だ。今回の法律を推進する与党のタスクフォース(TF)団長は聴聞会で虚偽の写真を使い、企業経営者を攻撃した。文在寅大統領は「日本の福島原発事故で1368人が死亡した」と述べたがフェイクニュースだった。「外国の製薬会社が韓国にワクチン契約を早く結ぼうと言っている」という保健福祉部長官の言葉も事実ではなかった。そんな勢力が逆にメディアを掌握しようと棒切れを振り回し、大韓民国を言論統制国へと向かわせている。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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