元日本人軍属で、日本政府に補償を求めている韓国人元BC級戦犯者でつくる「同進会」会長の李鶴来(イ・ハンネ)さんが28日、外傷性くも膜下出血のため亡くなった。96歳だった。葬儀は家族で営む。

 日本統治時代の朝鮮半島全羅南道出身。1942年、17歳で日本軍の軍属となった。タイとビルマ(現ミャンマー)を結ぶ泰緬(たいめん)鉄道の建設現場で捕虜監視員として働いたが敗戦後、シンガポールでの裁判で「戦犯」とされ死刑判決を受けた。懲役20年に減刑され、56年まで巣鴨プリズンに収容された。日本が52年に独立した際、旧植民地出身者は日本国籍を失い、日本政府は日本人の元軍人や軍属に対しては行う補償や援護を拒んだ。李さんは仲間とタクシー会社を起こす一方で、歴代の首相に解決の要望書を出すなど活動を続けた。司法にも訴えたが99年に最高裁で敗訴が確定。その後、立法による救済を求めて活動していたが、近年は病気などで入退院を繰り返していた。今月24日、自宅で転倒して頭を打ち入院していた。

毎日新聞 2021/3/28 19:56(最終更新 3/28 20:52) 435文字
https://mainichi.jp/articles/20210328/k00/00m/040/193000c

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李鶴来さん