【ワシントン、ソウル聯合ニュース】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領とバイデン米大統領が韓米首脳会談(日本時間22日未明)の後に発表する共同声明に、「(2018年の)板門店宣言を尊重する」という趣旨の文言が盛り込まれることが、20日分かった。 

 韓国青瓦台(大統領府)の関係者はこの日、米ワシントンで記者団に対し「米国の対北政策検討に韓国が大きく寄与した」として、米国が南北関係を尊重し、認める意味で板門店宣言に言及する可能性があると述べた。

 18年4月27日の南北首脳会談で文大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党総書記)が合意した板門店宣言には、朝鮮半島非核化の実現、年内の朝鮮戦争終戦宣言、敵対行為の全面中止などの内容が盛り込まれた。

 バイデン政権は対北朝鮮政策を検討した結果、18年6月にシンガポールで開かれた米朝首脳会談での合意を踏まえ、外交による柔軟かつ実用的なアプローチで北朝鮮問題を解決していくとの基調を定めた。

 今回の韓米首脳会談の主な議題には、米国の新たな対北朝鮮政策に基づいた協力強化策が含まれており、協力の基盤としてシンガポール合意だけでなく板門店宣言も明示される可能性がある。

 共同声明で板門店宣言について言及されれば、米国がより柔軟な対北政策に乗り出し、朝鮮半島非核化と平和定着のための南北関係進展に弾みがつくとの見方にもつながる。

 シンガポール合意は主に▼米朝間の新たな関係の樹立▼朝鮮半島の持続的・安定的な平和体制構築▼朝鮮半島の完全な非核化▼朝鮮戦争戦死者の遺骨返還――の4項目からなるのに対し、板門店宣言はより幅広い内容を扱っている。

 バイデン政権の高官は19日、韓米首脳会談を前に行ったメディア向けの電話会見で、「最大の柔軟性」という表現を用いて新しい対北政策を柔軟に運営するよう努力すると述べた。

聯合ニュース 2021.05.21 16:13
https://m-jp.yna.co.kr/view/AJP20210521003100882?section=nk/index