https://www.zakzak.co.jp/soc/news/210729/pol2107290003-n1.html

 日本と米国、台湾の有力国会議員らによる初の「日米台戦略対話」が29日にウェブ会議形式で開催される。「自由」「民主主義」「人権」「法の支配」などの価値観を共有する日米台の結束を強め、軍事的覇権拡大を進める中国共産党政権の脅威に足並みをそろえて対応する狙いがある。こうしたなか、安倍晋三前首相が訪台意欲を強めていることが分かった。



 戦略対話とは、2カ国以上で安全保障や経済の分野で、協力のあり方を話し合う枠組みのこと。産経新聞が29日報じた。

 本来、同盟国や戦略的パートナーシップを結ぶ国が行うが、今回は、安倍氏が顧問を務める超党派の日華議員懇談会(古屋圭司会長)が主催。議題としては、安全保障や半導体などのサプライチェーン確保、国際機関への台湾の参加などが想定されているという。

 当初は、昨年5月の蔡英文総統の就任式に合わせて台湾で対面方式で行う予定だったが、新型コロナウイルスの蔓延(まんえん)で断念した。

 日華懇関係者は「台湾との間には正式な外交関係がないため、政府の活動には限界がある。議員外交でサポートしたい」と話している。

 さらに「日米台の絆」を深める動きがある。李登輝元総統の逝去1年に先立つ産経新聞のインタビューで安倍氏は以下のように語った。

 「世界の中でこれほど日本のことを思ってくれたリーダーは存在しなかった。諸般の状況が許せばお墓参りをしたい」

 「自由で開かれたインド太平洋」を提唱した安倍氏は次のようにも語っている。

 「欧州にあった冷戦時代のフロントラインが中国の台頭で太平洋に移った。これを支えるのは日米と民主国。台湾は地政学的に重要だ」「日本と台湾は双方が親近感を持っており、特別な関係だ。日本として、台湾が国際社会の中で地位を確立するために支援していく」