韓国で若者を中心に大人気のウェブ漫画をアニメ化した映画『整形水』のチョ・ギョンフン監督が、23日の日本公開に合わせて見どころを語った。

 不思議な水の力で理想の見た目を手に入れた主人公イェジの数奇な運命を描くサイコホラー。チョ監督は「美しさを求める心の裏には、他者からの視線に対する恐怖がある。人が社会生活を送る以上、決して抜け出せない根源的な恐怖を赤裸々に表現した」と話す。

 幼い頃から容姿にコンプレックスを抱えてきたイェジ。テレビに映った自分の姿がインターネット上で「不細工」とばかにされていることを知って絶望していたある日、顔や体を浸すだけで自由に形を変えられる奇跡の水「整形水」が届く。

 整形水を使って美しく生まれ変わったイェジだが、心は一向に満たされない。「外見ひとつで態度を変える周囲の人間に失望し、ますます美に執着することで、次第に追い詰められていく」とチョ監督。身近に潜む外見至上主義の残酷さに目を向けてほしいという。

 美しさとは一体、何なのか。チョ監督は「本来なら人それぞれ基準があっていいはずのものなのに、現実はそうなっていない」と指摘する。

 メディアの影響などで美しさの画一化が進み「みんなが同じ基準で美を語り、他人の美に口を出すことで、生きづらさが増しているような気がします」

夕刊フジ公式サイト 2021.9.21
https://www.zakzak.co.jp/ent/news/210921/enn2109210011-n1.html