マーベルの超大作映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』が好調な興行成績を維持し、映画制作に参加した現代自が大きな宣伝効果を享受している。米国のボックスオフィス集計サイト「ボックスオフィス・モジョ」によると、26日現在、スパイダーマンの世界全体での累計興行収入は10億ドル(約1150億円)を突破した。新型コロナの流行下で興行収入が10億ドルを超えたのはこの映画が初めてだ。公開から14日目の28日には累計観客動員数が500万人を超えた。

 映画には現代自動車初のフル電動車(EV)「アイオニック5」とスポーツタイプ多目的車(SUV)「ツーソン」が何度も登場する。アイオニック5はスパイダーマンのサポート役、ハッピー・ホーガンが乗る車として、ツーソンは戦闘シーンで登場する。

 現代自はこの映画に自社ブランドの車を登場させるため、昨年5月に配給会社のソニー・ピクチャーズと戦略的パートナーシップを締結。現代自のトーマス・シュミエラ顧客経験本部長は「スパイダーマンの3作目となる同映画は、両社の戦略的パートナーシップの砲門を開く初めての作品で、映画の興行に伴う高いマーケティング効果を期待している」として「今後もエンターテインメントと協業コンテンツを制作するために、多方面で努力したい」と述べた。

 全世界での販売が増加していることから、現代自はマーケティング手段として映画を活用している。2004年のスパイ映画シリーズ『ボーン・スプレマシー』では、追撃シーンに「EFソナタ」が登場し、世界的ヒットとなったクリストファー・ノーラン監督の映画『インセプション』には「ジェネシス」数十台が登場した。2018年に公開されたマーベルの映画『アントマン&ワスプ』では、「ベロスター」「サンタフェ」「コナ」が登場した。

 世界的な完成車ブランドは、映画やドラマといった映像コンテンツに車を提供し、ブランドイメージを高めて車の知名度を上げる。多い時には世界全体で数千万人もの消費者がコンテンツを視聴するため、自然に製品のイメージが視聴者の頭に焼き付けられて高い効果を生むのだ。

 韓国のドラマが世界的に人気を集め、韓国国内の輸入車市場も拡大していることから、多数の輸入車ブランドが韓国ドラマに車両を提供している。今年放映されて人気を集めた『海街チャチャチャ』には、アウディの「A5スポーツバック」「A6」「e−tron」「Q7」など登場人物のキャラクターに合わせた4種類の車が登場したほか、ドラマ『賢い医師生活』シーズン2には、メルセデス・ベンツ「CLS」「GLE」「Eクラス」「GLS」が登場した。ボルボ、ランドローバー、フォルクスワーゲン、DSも韓国ドラマに車を提供し、宣伝効果を享受した。

ヨン・ソンオク記者

チョソン・ドットコム/朝鮮日報日本語版 記事入力 : 2021/12/28 22:16
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