【ソウル聯合ニュース】韓国で自身を「保守的」と考える人の割合が、「進歩的」と考える人の割合を5年ぶりに超えたことが分かった。

文在寅(ムン・ジェイン)政権が発足した5年前は「進歩的」とする人の割合が「保守的」を大きく上回っていたが、5年で逆転した。 

 政府系シンクタンクの韓国行政研究院が10日に公開した調査の結果で明らかになった。

◇保守的30.4%・進歩的22.8% 文政権で保守9.4ポイント増・進歩7.8ポイント減

 調査の結果、自身が保守的(非常に保守的とやや保守的)と答えた回答者は30.4%で進歩的(非常に進歩的とやや進歩的)と答えた回答者22.8%より7.6ポイント多かった。 

 保守が進歩を上回ったのは、2016年以来。当時は保守的が26.2%、進歩的が26.1%だった。

 進歩的とする回答は文政権が発足した17年に30.6%を記録してから次第に減り、20年には26.8%となった。一方、保守的とする回答は17年の21.0%から増加を続け、20年には25.7%を記録した。

 自身を中道とする回答者の割合は今回の調査で46.8%を記録し、前年(47.6%)より小幅減少した。中道の割合は13年に46.3%を記録してから、40%台後半を維持している。

 年齢が低いほど進歩的な人が多く、高いほど保守的な人が多かった。20代以下では進歩が31.5%、保守が9.6%、30代では進歩が26.9%、保守が18.1%を記録した。40代は進歩が30.3%、保守が22.4%だった。

 50代は保守が35.6%、進歩19.7%、60歳以上は保守が49.9%、進歩が13.2%だった。

 ただ17年の調査と比べ、若者世代の「脱進歩」傾向は明確だった。17年の20代以下の進歩と保守の割合はそれぞれ36.4%と10.5%、30代は40.0%と9.8%だった。

 20代以下では進歩の割合が4.9ポイント、30代では13.1ポイント減少した。20代は保守の割合も0.9ポイント減少し、その分中道層が増え、30代は保守が8.3ポイント増加した。 

◇脱北者の拒否は4年で14.3%から25.0%に

 脱北者や移民を排斥する社会の雰囲気は文在寅政権になってからさらに深刻化したことが分かった。

 脱北者について「受け入れられない」(排除)と回答した人の割合は今回25.0%を記録し、前年(2020年)より6.7ポイント増加した。文在寅政権が発足した17年の14.3%、翌18年の12.6%と比べ10ポイント以上増えた。

 外国人移民者や外国人労働者を排除する意識は今回の調査で12.9%を記録し、前年より3.0ポイント増えた。17年の5.7%の2倍以上に増加した。 

 社会的葛藤が生じる原因としては、「貧富の格差」を挙げる割合が増加する傾向を示した。

 社会的葛藤の原因を貧富の格差する回答者は25.4%で、19年の18.3%、20年の22.1%を上回った。

 国家が追求するべき価値では「分配」(37.4%)が「成長」(26.7%)を上回った。「分配と成長が共に重要」とする回答は35.9%だった。調査が始まった13年以降、分配が成長を上回ったのは今回が初めて。

 回答者は韓国の民主主義のレベルに対する満足度について、10点満点中、平均で6.2点を与えた。 18年(5.6点)より0.6点高かった。政治、経済のレベルに対する満足度は共に5.5点で、それぞれ4.4点と4.1点だった18年より向上した。 


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