「見せてもらおうか、韓国地方政府の実力とやらを」です。

『韓国レゴランド』のABCP(Asset-Backed Commercial Paper:資産担保コマーシャルペーパー)が不渡りを宣言した件ですっかり短期資金調達市場が凍りついたわけですが、韓国の地方政府が保証した債券でまた同じことが起こるのはないか?――という懸念が広がっています。

短期資金調達市場は特に信用で成り立っているものですから、また同様の事件が起こると壊滅的な打撃を受けます。

◆4兆ウォンの津波に立ち向かう地方政府

2022年11月09日、行政安全部が全国の地方自治体を通じて債務に関する調査を行い、結果を公表しました。それによると、2023年第1四半期(1~3月)までに満期が到来する地方債・工事債・保証債務は計4兆544億ウォンです。

※地方債(自治体41ヵ所):2兆9,117億ウォン
(2022年末:6,334億ウォン/2023年第1四半期:2兆2,783億ウォン)

※保証債務(自治体3カ所):2,721億ウォン
(例の江原道のレゴランド関連保証債務:2,050億ウォン含む)

※工事債(地方公企業が発行:8カ所):8,706億ウォン

※小計:4兆544億ウォン

傑作なのは、「工事債のうち、4,506億ウォンは地方公企業の自ら財源を通じて償還することにした」などとなっている点で、実は償還に対して「手当できた」と判断できないものがあるのです。

「償還計画を設けていない債券」は、地方債2,359億ウォンと工事債4,200億ウォンなど計6,559億ウォンに達します。

普通は、借り換え債券を発行してなんとかするのですが、ご案内のとおり債券市場の金利は急騰しています。債券発行は非常に困難な状況です。

市場動向によっては借り換え用の債券を発行できず、その場合、デフォルト(債務不履行)の可能性があり得ます。

◆「しゃあない」ので中央政府がお金を出す!

こういうのも「ワシが討って出る」になるのかどうか分かりませんが、仕方がないので中央政府の出番となっています。

韓国政府は、2023年に7,700億ウォンの公的資金を投入する。

財源は「地域共同発展基金:6,000億ウォン」、「地方財政共済会資金:1,600億ウォン」「公資基金:100億ウォン」です。

レゴランド騒動を繰り返さないとため、行政安全部は10月月13日に続いて11月02日にも、「市・道企画調整室緊急会議」を開催しました。本当に緊急会議ばかりです。

会議の中身は、「自治体・地方公企業の債務状況を点検し、債務管理に万全を期するよう要請した」です。

ドタバタに韓国政府の慌てぶりが見て取れます。それにしても2023年第1四半期末までに4兆ウォンというのはかなりの額です。

単純に1/10にしてもざっくり4,000億円。無事に全て償還できるのか見ものです。

(吉田ハンチング@dcp)
https://money1.jp/archives/93282