中国では、新しい干支のウサギをデザインした切手に対して、非難の声が巻き上がった。青色の体に赤い目をした「斬新」なデザインに「伝統文化に反する」「新年のめでたい雰囲気がない」などの意見が殺到した。しかし、売れ行きは絶好調で、売り切れになった場所も相次いでいるという。なぜなのだろうか。

切手をデザインしたのは、黄永玉(ホアン・ヨンユー)氏だ。黄氏は1924年の生まれで、高く評価される作品を数多く制作し、後進の指導にも尽力してきた中国美術界の重鎮だ。しかし、中国で最も経験豊富な美術家の一人である黄氏がデザインした「卯年切手」には批判の声が相次いだ。新年のめでたい雰囲気が感じられず、「妖気が漂う」などの批判だ。

中国では春節(旧正月、2023年は1月22日)をもって、干支が切り替わる。中国郵政が新たな干支のウサギをデザインした切手を発売したのは、1月5日だった。中国郵政広西分公司と広西博物館は、切手の発売キャンペーンに新しい「卯年切手」の、青い体と赤い目を模した着ぐるみを登場させた。するとネットでは「リアルにするとさらに醜悪」「あそこまで醜悪だとかえって萌える」といった、多くの声が寄せられた。

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中国メディアの澎湃は、批判を浴びたにもかかわらず卯年切手に注文が殺到した理由は、今後の値上がりを期待する人が多かったからとの見方を紹介した。中国ではかつて、切手収集が極めて人気の高い趣味だった。ただし現在は手紙を投函する機会が少なくなったなどで、切手収集の人気は下り坂だ。ただし、黄永玉氏がデザインした干支切手には実績がある。

黄氏は以前に2回、1980年と2016年の干支切手をデザインしたことがある。いずれも申年の切手で、うち1980年の申年切手は人気がとりわけ高く、2000年ごろには1枚当たりの価格が1万元(約19万円)以上に達した。過去数年で価格は下落したが、それでも1枚5000~8000元(約9万7000円~15万円)で盛んに取り引きされているという。

黄氏がかつて手掛けた「申年切手」は、人々に奇抜さを感じさせるデザインではなく、ほのぼのとした雰囲気も人気の理由の一つだった。そのため黄氏は、「申年切手の父」などと呼ばれるようにもなった。今年の卯年切手については、黄氏のデザインということで関心を持った人もいるという。また中国郵政は、知名度が高い黄氏によるインパクトある干支切手により多くの人の関心を集め、切手の収蔵熱と価値を高めることを”仕掛けた”との見方もある。(翻訳・編集/如月隼人)

Record China 2023年1月10日(火) 8時20分
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