ハンギョレ新聞編集局幹部A氏がいわゆる「大庄洞事件」の中心人物である金万培(キム・マンベ、火天大有大株主)氏側からマンション購入資金約9億ウォン(約9570万円)を借り入れたことに関連し、ハンギョレ新聞は9日、A氏を解雇すると発表した。また、金玄大(キム・ヒョンデ)社長、専務、編集人、編集局長が相次いで辞意を表明した。

 ハンギョレ新聞は同日午後10時ごろ、ウェブサイトに掲載した声明を通じ、A氏とついて、「人事委員会で清廉公正義務と品位維持違反、ハンギョレ倫理綱領違反、取材報道準則の利害衝突回避条項違反、会社の名誉毀損などを理由に解雇を決定した」と発表した。ハンギョレはA氏が住宅購入契約を結ぶかどうか悩んでいたところ、金万培氏から2019年5月の3億ウォン(利子分1000万ウォンを差し引き2億9000万ウォン)をはじめ、合計で9億ウォンを小切手で借りたと本人から説明があったとし、「本人が明らかにした内容だけでも最も重い懲戒理由に該当する」とした。

 金玄大社長は同日、社員に宛てた文書で「ハンギョレを代表する人間として、自分が一番大きな責任を負うべきで、私が先にひざまずいて反省しなければならない」として辞意を表明した。金社長は2月初めにも代表理事(代表取締役)選挙で当選者が決まれば、直ちに辞任するとした。金社長は「ハンギョレが最も大切に守ってきた信頼が一瞬にして崩れている」とし、最高経営陣である白奇哲(ペク・ギチョル)編集人とイ・サンフン専務も辞任を決めたと説明した。金社長の任期は3年で、3月中旬までとなっている。

 これに対し、ハンギョレ新聞労組は「代表理事と編集人が直ちに辞退することを強く要求する」との声明を出した。

 リュ・イグン編集局長も同日、職務を退く意向を明らかにした。リュ局長は編集局員に送ったメールで、「私は最も大きな責任を負うべき位置にある。不適切な人物を重要を職責に就かせ、問題行動を事前に把握できず会社に回復困難な損失を与えた」と理由を説明した。

 ソウル中央地検はハンギョレ編集局幹部A氏が金万培氏と9億ウォン近い金銭の授受を行った事実をつかんでいる。金氏が南旭(ナム・ウク)弁護士(天火同人4号オーナー)、チョン・ヨンハク会計士(天火同人5号オーナー)からそれぞれ3億ウォンを受け取り、マンション購入代金としてA氏に渡し、火天大有のイ・ソンムン代表が拠出した3億ウォン近い資金もA氏に渡ったという。

キム・スギョン記者

Yahoo!Japan/朝鮮日報 1/10(火) 16:35配信
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