【CNS】中国東北部の吉林省(Jilin)吉林市の大型スーパーでは、黄桃の缶詰を棚に並べるとすぐに売り切れる状態が続いている。店長は「これほどの人気は誰も予想していなかった」と驚きの声を上げる。

中国では「子どもの頃、病気になると黄桃の缶詰を食べさせてもらった」「一口食べると体がすごく楽になった」という経験を持つ人が多い。新型コロナウイルスの流行により黄桃の缶詰が新たに注目を集め、店頭でもインターネット販売でも品切れ状態が続いている。

一部のメーカーは合理的な消費を呼びかけているのに対し、ネット上では「黄桃は薬ではないが、補助薬のようなもの」「食べているのは『気持ち』」という書き込みが目立つ。

「黄桃の缶詰は、中国東北部の市民の集団記憶と言える」。吉林市人民政治協商会議の文化史研究員の皮福生(Pi Fusheng)氏はそう説明する。1970~1980年代、東北地方より南に位置する山東省(Shandong)の黄桃が東北地方で人気を博していた。当時の輸送・保管体制では新鮮な黄桃を保つのは難しく、缶詰が中心となった。

「薬効はないが、滑らかで甘い味は『癒やし』を感じる」と皮氏。桃には伝統的に「長寿」と「邪気を払う」意味もある。

吉林中心病院の趙暁芸(Zhao Xiaoyun)医師は「黄桃はビタミンと食物繊維が豊富で、体液を促進して喉の渇きを癒やすだけでなく、消化にも役立つ」と一定の効能があると説明。一方で「缶詰食品には砂糖が多く含まれているので、適度に食べた方がいい」と忠告している。

CNS/JCM/AFPBB News
※この記事は、CNS(China News Service)のニュースをJCMが日本語訳したものです。CNSは1952年に設立された中華人民共和国の国営通信社です。

2/7(火) 17:02 CNS(China News Service)
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