デング熱などの熱帯感染症を媒介する蚊「ネッタイシマカ」に、殺虫剤の効かない「スーパー耐性蚊」が広がっているのをベトナムとカンボジアで確認したと、国立感染症研究所などのチームが発表した。航空機などに紛れ込んで日本に侵入する可能性もあり、対策の必要性を訴えている。論文が科学誌サイエンス・アドバンシズに掲載された。

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 ネッタイシマカは東南アジアや中南米などに生息するヤブ蚊の一種で、高熱や頭痛を引き起こすデング熱やジカ熱などの重い感染症を媒介する。

 チームは、ベトナムとカンボジアの都市部計4か所でネッタイシマカを採集し、遺伝子を調べた。その結果、昆虫の神経系に作用する標準的な殺虫剤の成分「ペルメトリン」への耐性を持たせる遺伝子変異「L982W」が、いずれも約8割の蚊で見つかった。

 同じ殺虫剤を大量使用したことによって、突然変異で耐性を身につけた蚊が生き残り、繁殖している可能性があるという。

 特に、カンボジアの首都プノンペンでは、「L982W」を含む二重の遺伝子変異を持つ蚊が7割以上を占めていた。これらは、殺虫剤に1000倍程度の耐性を持つとみられるという。

 ネッタイシマカは日本には生息していないが、航空機に侵入して日本の空港検疫で見つかった例がある。地球温暖化で日本でも生息しやすくなる可能性があり、感染研の葛西真治・昆虫医科学部長は「決して対岸の火事ではない。別の殺虫剤に切り替えるなどの対策が急務だ」と話す。

  嘉糠洋陸かぬかひろたか ・東京慈恵会医科大教授(熱帯医学)の話「殺虫剤の適正使用など、国際的な議論の必要性も示す重要な成果だ」

2023/02/19 22:16
https://www.yomiuri.co.jp/science/20230219-OYT1T50098/

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