韓国政府が発表した徴用問題の解決策をめぐって、アメリカのバイデン政権が歓迎する立場を明らかにしたなか、今回の解決策が過去の事例に比べて成功する可能性が高いという評価が、アメリカの専門家から出ています。

アメリカのシンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)のビクター・チャ副所長は6日(現地時間)、韓国政府の解決策について、韓日関係の基盤を強固にし、アメリカにも利益をもたらすだろうと評価しました。

チャ副所長は、「過去のように政権が変わればなかったことになるのではないか」という懐疑論が一部で出ていること触れながら、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が就任直後に2015年に慰安婦合意を覆したような事例とは違い、今回の解決策は政権が変わっても維持される可能性が高いと分析しました。

その理由として、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領と岸田総理大臣のいずれもが、両国間の緊密な関係に対する戦略的な必要性を認識し、政治的リスクを甘受したという点を挙げています。

とくに、尹大統領が3月1日の独立運動記念日の演説で「日本は普遍的な価値を共有する協力パートナー」だと述べ、日本も韓国を「重要な隣国」と表現したことに言及しました。

2つ目の理由として、今回の解決策が導き出される過程で、アメリカが大きく関与しなかった点を挙げています。

チャ副所長によりますと、最近の数か月間、アメリカの当局者たちは今回の解決策に関しては、関与しないよう要請を受けていたということです。

チャ副所長は、アメリカの仲裁がなかったという事実は、両国の国内の批判に対する防波堤となり得るだけでなく、双方に解決策を成功に導く責任感を与えるだろうと強調しました。

ほかにも、尹大統領と岸田総理大臣がともに任期初期である点も、今後、解決策を推し進めるうえでプラスとなるだろうと分析しました。

一方で、賠償金支払いのための財源は、韓国の企業による韓国の財団への自発的な寄付で賄われる点に触れながら、日本企業の最低限の参加が政治的な実行可能性のカギとなるだろうと強調しました。

また、韓日米3か国が共同で議論を加速化させ、これを通じて同盟や域内のネットワークが強化されているというメッセージを北韓や中国、ロシアに送ることができるだろうと語りました。

そのうえで、韓日米は3か国による軍事訓練を拡大、制度化する必要があるとして、ソウルの韓米連合司令部と東京の防衛省に連絡将校を配置するなど、情報共有を強化すべきだと提言しました。

2023-03-08 10:40:58/Update: 2023-03-08 12:12:45
http://world.kbs.co.kr/service/news_view.htm?lang=j&id=In&Seq_Code=84843