世界的な食料危機を「食用コオロギ」が救うと政府も期待を寄せている最中、「牛を殺せば助成金…政府に振り回される酪農家たち。過去最悪レベルの『牛乳ショック』で毎日生乳廃棄へ…」というマネーボイスのネット記事が物議を呼んだ。実業家のひろゆきも「コオロギ食べるくらいなら牛乳飲めば良いのにね」などと記事についてコメントし、国民からは賛同の声もが集まった。

 「牛乳を飲もう!」――。 コロナ禍で需給が低下し、大量廃棄の危機にあった牛乳をめぐっては、日本各地でこのような運動が展開された。しかし、東京大学大学院農学生命科学研究科教授で食料安全保障推進財団理事長の鈴木宣弘氏は、「これを美談としてはいけない」と訴える。その背景にある、「牛の処分」と「牛乳の増産」を同時に迫る農水省の勝手な言い分とは――。全4回中の3回目。

これからのジャップは便所コオロギが主食