ー前略ー

統計庁は、今の傾向が続けば2025年には合計特殊出生率が0.52人割れとなるだろうと警告した。
日本の場合、韓国の昨年の合計特殊出生率(0.78人)よりはるかに高い1.3人だが、事情は良くない。
昨年1年間、人口が約78万人減少し、空き家が850万戸(ソウルの全体住宅数380万戸)も発生した。
人が全く住んでいない村が2015年174カ所だったが、今後3044カ所に増えるという見通しもある。

岸田文雄首相の率いる内閣は人口問題の克服を「国政第1号課題」とし、出産と子育てを国家が責任を負って管理する果敢な政策を施行している。
にもかかわらず、今の日本内需市場は人口減少の影響で1990年代初めの70%水準に縮小され、各種統計が回復不能状況に悪化している。

韓国は高齢化傾向と合計特殊出生率など各種指標がすでに日本を追い越したか、近いうちに追い越すものと予想されている。
日本より状況がさらに深刻だが、政治家や企業はもちろん、ほとんどの国民はまだ遠い国のことであるかのように少子化による人口減少に無感覚、または関心を持たない。

先日、民間シンクタンクである韓半島(朝鮮半島)未来人口研究院が主催したフォーラムで、ある企業家の発題者はきちんと機能しない「少子高齢社会委員会」を発展的に解体し、
すべての政府部署が参加する「人口増加委員会」を新設し、傘下に人口庁を設置しようと提案した。
また「人口増加基本計画」を5カ年単位で策定し、計6次にかけて30年計画を作ろうという画期的な提案で注目された。

今や政治家も与野党の区別なく乗り出さなければならない。地方区の人口増加を政治家の評価指標とし、国会は保育の国家的責任を強化するように法制度を大幅に整備する必要がある。
さらに政府は、若者たちが住宅問題のために結婚をしない、または先送りすることがないよう住宅政策のパラダイムを新たに作ることが求められる。

少子化対策に年間4兆ウォン(約4000億円)~50兆ウォンの予算を注ぎ込む点を考えると、育児と保育を国家が責任を持って良質の青年住宅を低価格で供給すれば、
結婚と出産で近いうちに目に見える効果が表れるだろう。今の人口政策に必要なのは選択と集中であり、果敢かつ長期的な投資だ。

企業も人口問題の解決の先頭に立つ必要がある。人口絶壁時代に労働人口の減少と消費萎縮による直接的な被害当事者は企業であることを認識し、
出産と育児にやさしい政策を先頭に立って展開する必要がある。このような政策は単なる福祉ではなく、企業生存のレベルで考えるべきだ。

政府は育児ヘルパーと外国労働者の確保をはじめとする精巧な移民政策を一日も早く策定し、労働力不足に対処しなければならない。
婚外出産と年間100万件と推算される堕胎問題の解決、養子縁組の活性化など公論化が足りなかった懸案を韓国社会が受け入れられるように法的・制度的補完策を急ぐ必要がある。

人口問題の世界的な有識者らは、大韓民国が人口危機を克服するゴールデンタイムがあと5年しか残っていないと警告している。
人口問題は国家の存立がかかっている問題であり、時代的使命だ。今後の国家生存は人口の回復にかかっていると言っても過言ではない。
隣国日本が人口政策の失敗によって経験する苦痛を他山の石にすべきだ。企業と国会はもちろん、何よりも大統領が直接人口問題に取り組んでほしい。

※ 外部執筆の寄稿は、中央日報の編集方向と異なる場合があります。
キム・ジョンフン/韓半島未来人口研究院会長、韓米グローバル会長

全文はソースから

2023.04.28 09:52
https://japanese.joins.com/JArticle/303765
https://japanese.joins.com/JArticle/303766