日本、米国、オーストラリア、インドは20日、4カ国の協力枠組み「クアッド」の首脳会合を広島市で開き、海洋進出を強める中国を念頭に、自由で開かれたインド太平洋構想を推進することで一致した。会合後に発表したインド太平洋地域の協力に関する共同声明では、「脅迫と威圧のない、主権を尊重した平和で安全な地域を目指す」と明記した。

岸田文雄首相、バイデン米大統領、アルバニージー豪首相、モディ印首相が出席。インド太平洋地域でのインフラ整備などの経済協力、気候変動対策での連携も確認した。

日米などG7陣営と中露陣営の対立が深まる中、インドは「全方位外交」の方針を維持し、ロシアとは経済、軍事両面で関係が深い。対露制裁でもG7に同調していない。日米はクアッドを通じてインドとの関係を強化し、対露制裁の「抜け穴」をふさぎたい考えだ。

2023/5/20 23:30
https://www.sankei.com/article/20230520-MKS7QMKQ25K7JHCRYL5TI25PSU/