「イ・ガンインはサッカーをやめていた」韓国サッカー界に蔓延る勝利至上主義&フィジカル偏向に同国メディアが苦言!
「我が国の育成で技術と才能を発揮できたか?」

「小柄なテクニシャンは上級学校に進学する過程でサッカーをやめる」
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 先日、マジョルカからフランス王者パリ・サンジェルマンにステップアップ移籍を果たしたのが、韓国代表MFのイ・ガンインだ。
 
 10歳の時にバレンシアの下部組織に入団し、スペインで育った“至宝”について、韓国メディア『スポーツ傾向』は、
「イ・ガンインがスペインに行かずに国内に滞在していたら、今のように大成できたのだろうか」と疑問を投げかけ、
韓国サッカー界の問題点に切り込んでいる。

「韓国のサッカー部の監督は、ほとんどが体格の良い選手を好む。技術と才能ではなく、力とフィジカルで相手を打ち負かせる選手たちだ。
ゴールを入れて守備を固めるサッカー、耐えるサッカー、格闘するサッカー、ハイボールを使ったサッカーができるからだ」

 そう切り出した同メディアは、「だから小柄なテクニシャンたちは上級学校に進学する過程でサッカーをやめる。
中学校、高等学校の低学年の時にサッカーを諦めた選手もほとんどが小柄だ」と指摘。こう主張している。

「イ・ガンインの身長は173センチだ。実際に見ると、それより少し小さい。
イ・ガンインは韓国の育成システムで、技術と才能を思う存分発揮できただろうか。
出場機会はきちんと得られたのだろうか。サッカーを続けられただろうか。もちろん仮定の話だが、答はノーだ」

 記事は「イ・ガンインは韓国国籍だ。ボールを蹴り始めたのも韓国だ。
だが、彼が選手として大成するのに非常に重要なゴールデンタイムである10代すべての時間を過ごしたのはスペインだ。
生まれたのは韓国だが、育てたのはスペイン人だ」と続け、こう締めくくっている。

「イ・ガンインがスペインを経てパリSGに行った事実は、勝敗・体格・フィジカル戦にフォーカスする韓国の育成システムが、
技術・体力・経験重視に無条件に移行しなければならないことを意味する」

 あくまでも一つの意見であるが、興味深い考察であると言えるかもしれない。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
2023年07月17日
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