「もともとビッグモーターは、76年に山口県岩国市に開店した兼重オートセンターが母体です。そこから兼重社長が一代で、本社を東京の六本木ヒルズに置き、北海道から沖縄まで全国300店舗に迫る出店をし、“買取台数6年連続日本一”を謳う会社に成長したんです。もちろんそこには、関西の中古車販売会社ハナテンを傘下に収めたことが大きいのですが、兼重社長は自衛隊出身と聞いたこともありますし、かなり無理をしてきたのでしょう」

 今回の損保への不正請求問題は、昨年はじめの内部告発が発端だった。同社と取引のある損保ジャパン、東京海上日動、三井住友海上の3社がサンプル調査を実施し、全国にある整備工場の大半から水増し請求の疑いが発覚した。

「そこで3社で、ビッグモーターに自主調査を要請したわけです。ところが、返ってきたのは、修理作業員の技術不足、社内の手続き上のミスが原因だったという回答でした。これに納得できない東京海上と三井住友海上が独自に調査を始めると、ようやくビッグモーターも第三者による特別調査チームを立ち上げたのです」

 損保ジャパンは加わらなかったのか。

「損保ジャパンだけはビッグモーターの回答を鵜呑みにして、一度は辞めていた事故車両の紹介を復活させたそうですから」

 なぜ損保ジャパンは取引を復活させたのか。
強く出られなかった部分も

「太いパイプがあるのでしょうね。損保ジャパンはビッグモーターに社員を出向させていたそうです。これは勝手な想像ですが、損保ジャパンは旧安田火災の頃から大手損保に追いつけ追い越せで、ゆるい契約を結ぶ社風がありました。実際、損保ジャパンとなってからも、業務が営業偏重だと業務停止処分が下ったことがありました。ビッグモーターものし上がってきた会社ですから、似た部分があるのではないかと思います」

また安倍友元自衛官の犯行かよ