資料的にはつなげられなくて、想像の範囲だが、石井少将がアメリカに提供した資料が主として「汚濁した水をろ過して清水を得る」技術に関するものだったろうことは容易に想像できる。中国の水も汚いが、アメリカの河川もたいてい土粒子を多く含んでいて汚濁しているんよ。リオ・グランデ川なんて薄茶色しているし、ミシシッピ河も土気色しているし、レッド・リバーなんてチョコレート色だ。日本みたいに山岳・丘陵地帯と平野で高低差がある地形をしていないから、たいていの河川は曲線を描いて蛇行している。特に南部がそうだ。

製薬産業が特にそうだが、工業用水としてろ過した清水が大量に必要になることは言うまでもない。人体実験の結果なんて、動物実験で置き換えられるものにアメリカは関心を持たなかったに違いない。まず、自分のところの軍隊に大量の清水を供給する必要があったから。