日本のほとんどの風俗店では外国人に対して「ご利用のお断り」を掲げている。理由は定かではないが、
言語や文化の違いから万が一、もめ事が起きた際、解決に大きな労力がかかってしまうからだろう。

多様化が進む社会の中、外国人を一律で入店拒否することの是非は置いておいて、
あえて「外国人歓迎」という文言を掲げて利益を上げる「インバウンド専門風俗」も存在する。

歌舞伎町(東京都新宿区)のインバウンド専門風俗店で働く真知子(仮名)は、
いろいろな国のセックス観を目の当たりにしてきたというが、中でも中国人が
日本のAV(アダルトビデオ)に抱く羨望と執念の強さに圧倒されたという。
なんでも中国人男性にとって日本のAV女優と肉体的な関係を持つことは、本国に帰った際にステータスとなるらしく、
そこには知られざる熾烈な争いがある。真知子が話す。

「インバウンド専門風俗の経営者も中国人が日本のAV女優に抱いている感情を知っています。
だから、1回でもAVに出たことがある子はAV女優≠ニして売り出しますし、
AVに出ていなくてもAVに出たことがあるように見せることもあります」

真知子によれば中国人の客に見せるために、店で働く女の子をモデルにAVのパッケージを作ることもあるという。
もちろんパッケージだけでそのAVは存在しない。

しかし、AV女優だと思って抱いた日本人女性がただの風俗嬢だったと後で発覚すれば、
本国で大きな恥をかくことになる。次第に中国人たちも対策を講じ始めた。

「本当にそのAV女優が存在するのか調べるためにFANZAやDMMなど日本のアダルト動画サイトに登録している人もいました。
メーカーにも詳しくて、『俺はカリビアンコムに出演しているAV女優しか抱かない』って言う人もいたくらいです」

店はAVに出演していない女性のランクを下げて料金を安く設定している。
真知子はAVの出演歴がなかったというが、中国人からの指名は多かった。ただ、その理由は真知子を抱くためではなかった。
真知子を指名した中国人たちはこんなことを言っていたそうだ。

「私は本物のAV女優を抱くためにまず君を指名した。
この店に在籍している女の子の中で誰が本物のAV女優なのかこっそり教えてくれないか」

「この店に在籍しているこの女の子の作品を、今この場で検索して俺に見せてみろ」

「このAV女優は今本当に待機室にいるか? 昨日は? 一昨日は?」

彼らは「柚木ティナ」が「Rio」に改名したことも知っていれば、
日本のAV女優は事務所を移籍すると名前が変わることまで熟知していたそうだ。
■國友公司

夕刊フジ 2023.8/11 10:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20230811-EZ6XWFFGBJOTLPDBEFBX35BZH4/