◆弥生時代の始まり

では、紀元前10世紀頃に日本列島の倭人は
どこから稲の種籾を手に入れ、どこから稲作の技術を習得したのか?

箕子朝鮮の勧めで周と交わった結果、
周王朝から入手した可能性が高い。
 
先に述べた通り中国に稲作を始めたのは倭人であり、
倭人の領域は長江流域から山東半島付近にまで広がっていた。

先に日本列島に移住していた者たちは
そこに住まう倭人たちと交流し、
彼らの一部を技術指導者として日本列島に迎え入れた可能性もある。

ただし紀元前10世紀頃の日本で
幹線水路、井堰、取排水溝、畦畔など
大規模な水田の遺跡が発見されているわけでもないので
稲作の始まりは紀元前10世紀であっても、
やはり本格的な水稲耕作の始まりは3世紀頃と見ていいだろう。