厚生労働省は29日、2023年の労働経済の分析(労働経済白書)を公表した。日本の1人あたりの労働生産性は1996年以降ほぼ横ばいで、他国に比べて伸び悩んでいると指摘した。1人あたり賃金の停滞はパート労働者が増えた影響もあり、賃上げの波及には非正規の処遇改善が重要になる。

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国内総生産(GDP)を就業者数で割った1人あたりの「名目労働生産性」は96年を100とすると2021年に101.6だった。米国は241.0、英国は200.3と2倍以上に膨らんでいる。日本はデフレが続き、物価の下落を踏まえた「実質労働生産性」は113.2とやや高くなるが、それでも米英に劣る。

労働生産性は1970年代から90年代前半まで一貫して上昇していたが、バブル崩壊など経済環境の悪化で伸びが止まった。その後は雇用情勢が改善してもGDPや賃金の上昇につながらない状況が続いている。

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