2023年10月26日 15時49分

2012年に長崎県の寺から盗まれその後韓国で見つかった仏像をめぐり、韓国の寺が「中世の時代に倭寇に略奪されたものだ」として所有権を主張し引き渡しを求めている裁判で、韓国の最高裁判所は原告側の訴えを退け、仏像の所有権は長崎県の寺にあると認める判決を言い渡しました。

7年半にわたった裁判は判決が確定することになります。

「観音寺 1973年の時点で所有権を取得」韓国最高裁

2012年に長崎県対馬市の観音寺から盗まれその後韓国で見つかった、県の有形文化財に指定されている仏像「観世音菩薩坐像」をめぐっては、韓国中部にあるプソク(浮石)寺が「中世の時代に倭寇に略奪されたものだ」として所有権を主張し、仏像を保管する韓国政府に引き渡しを求めて2016年4月に韓国で裁判を起こしました。

1審の地方裁判所は、プソク寺への仏像の引き渡しを命じましたが、2審の高等裁判所はことし2月、観音寺が20年以上公然と仏像を所有してきたとして、1審とは逆に、引き渡しは認められないとする判決を言い渡し、原告側がこれを不服として上告していました。

韓国の最高裁判所は26日「日本の民法上、観音寺が法人格を得てから20年たった1973年の時点で、仏像の所有権を取得したと認められる」として、原告側の訴えを退け、仏像の所有権は観音寺にあると認める判決を言い渡しました。

7年半にわたった裁判は判決が確定することになり、これを受けて日本政府は、韓国政府に対して日本側への仏像の早期返還を求めていく方針です。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231026/k10014237971000.html