先進7か国(G7)の貿易相会合が28日、大阪市と堺市で始まった。閉幕する29日に発表する共同声明では、
中国やロシアを念頭に、日本産水産物の輸入停止措置について「直ちに撤廃されることを強く求める」との文言を盛り込む方向だ。

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G7貿易相会合に臨む西村経済産業相(左)と上川外相(右)(28日、大阪市北区で)=上田尚紀撮影

 判明した声明の原案では、中国などを名指しすることは避ける一方、食品の輸入規制について、
科学に基づいて世界貿易機関(WTO)などの国際ルールに沿って適用されることが重要との認識を打ち出す。
その上で、日本産の輸入規制を「不必要に貿易を制限する措置」だと表明する。

 また、国家管理のファンドからの補助金は公平な競争をゆがめるとして、透明性を確保する必要性も強調する。
貿易を制限して他国に圧力をかける「経済的威圧」には改めて懸念を示す。

  強靱きょうじん なサプライチェーン(供給網)の構築に向け、G7以外の信頼できる国とも団結する方針も打ち出す。
ウクライナ侵略を続けるロシアに対しては、「残虐で不当かつ違法な侵略戦争を最も強い言葉で非難」するとの文言を盛り込んだ。

 会合には、日本から西村経済産業相と上川外相が共同議長として出席している。
初日は豪州、チリ、インド、インドネシア、ケニアに加え、スズキなどの企業を招いた拡大会合を開き、供給網の強化策を議論した。

 西村氏は協議後、堺市内で記者団の取材に
「信頼できるパートナーと強靱なサプライチェーンを作っていくことで一致した。官民挙げて取り組みを進めたい」と述べた。

2023/10/29 05:00
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