韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権は、対米、対日の外交を修復するのには一応成功した。
しかし、内政と経済部門では尹大統領の任期中には解決不能な課題が山積している。
そのほとんどは、文在寅(ムン・ジェイン)前政権が丸投げして逃げた「負の遺産」だ。

韓国経済を引っ張ってきたのは「国内不動産投資」と「輸出」だが、どちらも状況は思わしくない。韓国の未来は真っ暗闇だ。

もし、国中の電力供給が止まったら…過消費による一時的ブラックアウトでも、多大な損害が出る。
何日間も停電が続いたら…現代国家はどうなるのか、想定もし難い。が、韓国では今年から来年の冬場に、そんな事態が起こりかねない。

韓国電力公社(韓電)の資金事情が、極度に逼迫(ひっぱく)しているためだ。
電力料金では発電コストをカバーできない状態が何年も続いている。文政権が人気取りのため、料金引き上げをしなかったからだ。
積もり積もった逆ザヤを一挙に解消したら、企業経済も家計も大混乱に陥る。

それで韓電は、高金利の債券を発行して、発電用燃料の輸入資金を調達せざるを得ない。
すると、債券市場は余力を失い、大手民間企業の社債すら消化できなくなる。この1年ほど、韓電債の発行の度に繰り返されてきた。

不動産部門では、文政権による統計改竄(かいざん)が明るみに出た。
アパート価格が5割上昇しても1割しか上がっていないよう統計数字をごまかし、「優等生政権」を装ったのだ。

これが明らかになると、「不動産は上がり続けるのだ」という韓国の神話が復活した。若い世代が再び借金による不動産投資を始めた。
家計部門の負債は2022年には微減したが、再び上昇コースに乗った。
22年末の家計負債は名目GDP(国内総生産)の105%だった。23年末はどんな数字になるのか。

不動産取引は増えても、デベロッパー(不動産開発業者)は資金繰りが苦しく新規投資は進まない。

文政権はサムスン電子をいじめてSK財閥を優遇した。結果として、
サムスンはシステム半導体やファウンドリー(受託生産)部門の投資が遅れた。SKは調子に乗った過剰投資で資金繰りが悪化した。

半導体を主武器に稼ぎ頭だった対中輸出は赤字基調に転落した。

どれも、「文政権のせい」と言える。しかし、文氏は「経済成長率が日本を下回るとは衝撃的だ」と、
尹政権を揶揄(やゆ)するような論評を発し、野党(文政権の与党)は「そうだ、そうだ」と、尹政権の経済政策を攻撃している。

もう、どうにも救いがたい。(ジャーナリスト・室谷克実)

2023.11/2 06:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20231102-VCTPX4EVN5MZLAKHSAOZEHYGHU/

※関連スレ
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