高市早苗経済安保相は、沖縄県・尖閣諸島周辺の排他的経済水域(EEZ)に中国が設置したブイについて、
「日本が撤去しても違法ではない」と私見を述べた。

発端は11月1日の参院予算委員会で、中国当局が設置したブイの扱いについて、日本維新の会の東徹氏と上川陽子外相の議論だ。
ブイは尖閣の北西約80キロに位置する。

東氏は日本の撤去要求を中国側が聞き入れないなら、実力で撤去すべきだと主張したが、
上川外相は国連海洋法条約など国際法に関連規定がないとして慎重姿勢だった。

こうしたやりとりに対して、高市氏は冒頭のように発言した。それに対し、閣内不一致ではないかとの意見も出ている。

率直にいえば、上川氏の答弁のほうが筋が通っていない。日本国内で、規定がないから撤去できないという意見には違和感はない。
つまり法律など諸法規について「ポジティブリスト」で考え、規定に書いてあることができるので、
規定に書かれていないことはできないと考えがちだ。

しかし、国際法は基本的には英米法だ。国際法は「ネガティブリスト」で、やってはいけないことが規定として書かれており、
撤去してはいけないと書かれていないのであれば、撤去してもいいとなる。
こうした観点からみれば、東氏や高市氏のほうがまともな意見ではないだろうか。

そもそも、松野博一官房長官は「EEZで、わが国の同意なく構築物を設置することは、国連海洋法条約上の関連規定に反する」
と批判しており、いまさら規定がないから撤去できないというのは苦しい。

ちなみに、9月26日、フィリピン沿岸警備隊は、同国のEEZ内である南シナ海のスカボロー礁に
中国海警局が設置した「浮遊障壁物」を撤去したと発表した。
と同時に、警備隊は浮遊障壁について「障害物は航行に危険を及ぼすうえ、国際法違反だ」と批判した。
こうしたフィリピンの対応について「毅然(きぜん)としている」との評価が識者の間にも多い。

なお、中国のブイは海上基地ともいえるほど大きなもので、相互主義で日本が同じものを中国のEEZに置いたらどうなるか。
想像に難くない。

もっとも筆者は、中国にただ単に撤去を要求するのは絶好のチャンスを逃すのでもったいないと考えている。
つまり、どのような機器なのかを調べてみたらどうか。

おそらく精緻な潜水艦探知のために、中国は海流の情報を収集したいのであろう。どのような機器を使っているのか興味津々だ。
ブイといえども中国の情報収集能力が分かるので宝の山だ。部品に日本製が使われている可能性もなくはない。
なので、この際、ブイの撤去を要求する前に海上保安庁が調査すべきだ。

いずれにしても、ブイを調査すれば、中国の設置意図がより正確に分かるので、安全保障の観点から調査は欠かせない。
 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

2023.11/10 06:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20231110-KUAELVPO6FM7BNV3AVFWV43YJY/

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