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ZOZOTOWNに売られていた「韓国発“偽たまごっち”」 出典:ZOZOTOWN
ー前略ー
(芝浦工業大学教授 原田曜平)

・縁もゆかりもないはずなのに中韓企業が「平成レトロ」参入!?
 Z世代の研究を行っている、芝浦工業大学教授の原田曜平です。今回は、若者の間で巻き起こっている「Y2K」ブームの
最新事情をお伝えします(本記事は前後編の前編)。

 ご存じの方も多いと思いますが、Y2Kとは「Year 2000」の短縮形。当時(2000年前後)流行したファッションなどが、
現代の日本や欧米の若者から再脚光を浴びているのです。

 例えば日本のZ世代では、厚底スニーカーやルーズソックス、アームウォーマー、そして腰パン(ズボンの腰履き)など
「あの頃」の服装を現代風にアレンジするのがトレンドになっています。

 もちろん流行の対象はファッションにとどまりません。懐かしのフィルムカメラ「写ルンです」で「エモい写真」を撮り、
現像してからSNSにアップする若者もいます。彼・彼女らが生まれた当時の商品やコンテンツは、ジャンルを問わず人気だといえます。

 そして最近、日本のY2Kブームに「ちょっとした異変」が起こり始めました。
中国・韓国の企業やブランドなどが、この潮流にビジネスチャンスを見いだすようになったのです。

 各社は縁もゆかりもないはずなのに「平成レトロ風」商品を日本向けに展開したり、
日本発のキャラクターとコラボして若者向け商品を開発したりと、日本市場と積極的に関わるようになりました。

・「偽たまごっち」が日本のZ世代に人気!?
 そして、各社は早くも日本の若者の心をつかみつつあります。分析力の高さとアンテナの広さは驚異的だと言わざるを得ません。

 その一例が、韓国発ファッションブランド「aeae(エーイーエ―イー)」のアイテム「FREINDS KEYRING」。
円形の電子デバイスで、端末の中央に白黒の画面が配置され、ユーザーは「ドット絵」のキャラを育てるゲームで遊べます。
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ー中略ー

・本家の「たまごっち」も確かに進化しているが…
 ここでポイントになるのが、FREINDS KEYRINGが似ているのはあくまで「あの頃」のたまごっちだということです。
本家本元のバンダイが復活・再展開している最新シリーズとはちょっと違います。

 というのも、バンダイもY2Kブームに商機を見いだし、今夏に史上初となる「Wi-Fi通信機能搭載」の新作たまごっちを発売しています。
他の人が育てているキャラと「メタバース」の世界で交流できるサービスにも対応し、遊び方もかなり進化しているようです。

 しかし、こうした新機能は確かに魅力的ではあるものの、今の若者が求める「レトロ感」が失われてしまったようにも思えます。
もしかすると、最新機種は機能が充実している分、逆に「子どもっぽい」印象を若者に与えているのかもしれません。

 その結果、Z世代の趣味・嗜好(しこう)に合ったY2Kグッズとして「激似の韓国版デバイス」が売られている――ということなのでしょう。

 さすがにバンダイの最新機種よりも売れているとは到底思えませんが、こんなものが出回り、ハマっている若者が実在する時点で、
皮肉な逆転現象が起きていると言えます。

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バンダイが今夏発売した最新機種「Tamagotchi Uni」(C) BANDAI 出典:ニュースリリース
ー後略ー

全文はソースから
DIAMONDonline 2023.11.24 10:59
https://diamond.jp/articles/-/332591