>>218朝鮮半島・台湾出身者の歴史的経緯

朝鮮半島、台湾は、かつて日本が植民地支配していました。その地域の住民は大日本帝国の臣民でした。
とりわけ朝鮮半島からは軍事徴用、企業での労働、事業、進学などで日本へ渡った人たちが約230万人にのぼりました。

1945年に戦争が終わると、約4分の3が朝鮮半島へ戻りましたが、60万人以上が残りました。
日本で生活基盤を築いた人たちや、帰国しても生活拠点の乏しい人たちです。
50~53年には朝鮮戦争が起きます。その戦争中の52年4月、サンフランシスコ平和条約の発効で日本が主権を回復したのに合わせ、
日本政府は、旧植民地出身者やその戸籍に入っていた日本人配偶者の日本国籍を喪失させました。選択の余地なく、日本人から外国人にされたのです。

その後、暫定在留、日韓協定による永住、特例永住と扱いが変わり、91年の日韓覚書を受けた入管特例法で、
旧植民地出身者とその子孫は「特別永住者」という在留資格になりました。
16年6月時点の特別永住者は、韓国・朝鮮が34万0481人、中国・台湾が2232人など。
在日4世、5世が増えて6世も生まれ、日本人との結婚も珍しくありません。

「自分の国へ帰れ」などと嫌がらせをする人たちもいますが、特別永住の外国人は、過去に植民地支配をした影響であり、
もとをたどれば日本国籍だった時期もあります。
条件の厳しい帰化ではなく、民族性を認めつつ無条件で日本国籍を選択できるようにするのも、ひとつの方法かもしれません。
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20161221-OYTET50036/2/
読売新聞 (ヨミドクター)