あとマイクの性能が昔は良くなかったというのは間違いで
昔も今もほとんど変わってないというのが正解。

B&Kマイクで収録したオーケストラ録音で機器の癖が出やすいのは
伝統的に醸成してきたサウンドデザインから抜け出せないためで
逆にブルーノーツはサウンドステージとか定位感で誤魔化さずに収録したので
今でも鮮度が落ちずに聴ける録音になっている。
ノラ・ジョーンズのデビュー盤で昔日の貫録を出したかな。
ただし、ジャズエイジの女性ボーカルのようにアイデンティティを奪われるのが嫌で
元のアングラ活動のほうに戻っていったのも象徴的だと思う。

リバーブを掛けて山彦おじさんなんて言われた名エンジニアもいたけど
そういうの入れたり、胸声をカットしたりで、ポップスは原音再生なんて程遠い。
自分も小型のライントランスで高次歪みを足したほうが楽しいと思う。
昔なら、カートリッジ、テープヘッドに当たり前に付随してた歪みも
わざわざ足さないとサウンドが太く艶やかにならない。難しい時代だ。