Jensenの30cmクラスのギターアンプ用ユニットには色々あって
P12Nはコンサートシリーズの末裔で、元はA12という励磁型PAユニットがあり
大きい磁石と深いカーブのプレスコーンなど、この手では一番高い機種。
フェンダーのギターアンプで使われたが、ジャズバンドの簡易PAとしても使われた。
JBL D130もFの文字を冠してフェンダーにOEMしていた。
プロ用といえば、こちらの機種を指す。

P12Rはこれより安いスタンダードシリーズとして1947年から製造されたもので
紙を丸めて接着した浅いストレートコーンを、Nよりも1/4小さい磁石で駆動する。
では実際のところ、どういう風に使われたかというと
格安のシルバートーンのギターアンプ、ロック・オーラのジュークボックスなど
むしろ庶民の身近なところで、どこででも聴かれたサウンドだった。
おそらくJesnen製ということを意識することなく、安くて使いやすいものという認識だろう。
ところがこっちのほうが本物だというフェイクなところが、ポップスの歴史の大きな転換点だ。
回顧というより、原点に近いところで、そのサウンドは浸透していた。