>>439
カソード接地だと入出力の位相が反転するので1段目と2段目の動作が逆になる。
つまり1段目の電流が増えるとき2段目の電流が減るので、歪み方を合わせると1段目と2段目で歪が打ち消し合う。
プッシュプルも歪を打ち消す方法だが真空管の数が倍になる。
半導体ではトランジスタの数が倍になってもさほど問題にならないが、真空管は値段も高いし場所も取るし電気も喰うのでシングル動作とすることも多かった。
差動増幅に使われるカソード結合回路も歪を打ち消し合うが、同じ理由で出力の片側しか使われない場合が多かった。
その他もっと技巧的な歪打ち消し回路もある。
真空管アンプは直結回路でないものがほとんどで、多量のオーバーオールNFBを安定にかけることができなかったため、オーバーオールNFBをかける前の裸の歪を減らすことが重要視された。