よく「お金に色は付いてない」と言う。政治家が稼いだ1万円も、売春婦が稼いだ1万円もおなじ価値である。

またお金を表現する媒体は、貝殻→金貨→紙幣→電子マネー→
と進化した。これから先、どのような形のお金が登場するかわからない。
16世紀のアフリカ西部では、黒人奴隷が通貨として用いられていたこともあった。
人間の肉体も、通貨になり得るのである。
してみれば、お金の本質は、紙や金や電磁物といった媒体ではないのは明らかだ。

またお金は国家が印刷して、流通させるのが普通である。
その国家がクーデターや敗戦などで倒れると、お金も紙クズになる。
そこまでいかなくても、国家が著しく弱体化したときはスーパーインフレとなり、
パン一個が一億円と等価値になるほど、お金の価値は失われる。
してみれば、お金とは国家権力である、とも言える。

またお金は、時間の経過とともに自動的に増えていく。
銀行に預けた100万円は、利息がついて一年後には101万円に増える(実際はそんなに高くないが説明上) 現在の100万円は、一年後の100万円と等価値ではない。利息のぶん価値が変わる。 お金はお金を生むのである。
してみれば、お金とは、時間を形にした或るものある、とも言えるのである。

さらに、お金は人を狂わせる。お金のために、人間は殺人さえ犯すのだ。
女はお金のために体を売り、男は汚職に手を染める。
政治家も官僚も、お金のまえでは正義を捨て去るのである。
してみれば、お金とは、人のこころを動かす非常に強い威力をもった或るものである、とも言えるであろう。

さて、お金とは何であろうか?