真理(アレーテイア)について

“「真理」という語は、ギリシア人のもとでは或る否定を伴っている、
 すなわちア-レーテイア<ἀ-λήθεια>――
 非-覆蔵性、覆蔵されて-いないこと、である。”
― 『ハイデッガー全集 55 ヘラクレイトス』 p110

“既にこの太古の神性Ἀφαία(アパイア)
 - 現われざるもの、現われることから身を引くもの、逃れつつ現われ出でるもの -
 それがアレーテイアの謂うところを名指している。”
― 『ハイデッガー全集 75 ヘルダーリンに寄せて』 p279

“自然(ピュシス)は隠れることを好む”
― ヘラクレイトス 断片123(『ハイデッガー全集 55 ヘラクレイトス』 p141参照)

ピュシス [physis]
〔哲〕 〔自然の意〕 単に物質的な自然でなく、生ける霊にみちた能動的・有機的なもの。ギリシャ哲学の最初の主題となった。(大辞林 第三版)