―――重篤化の確率が高い高齢者などはどう対応すべきですか。

高橋 無論、新型コロナウイルスを過小に評価してもいけない。重ねて強調したいのは、何らかのリスクファクター、
疾患を有する人や高齢者ほど重症化リスクが高いという点は言うまでもなく、引き続き警戒すべきだ。

その意味でも、若年層の市中暴露をやみくもに追いかける検査よりも、リスクの高い人たち、あるいは高齢者施設や医療機関の対策に重点を置くべきだと考える。

もう一点注視すべきなのは、ウイルスの遺伝子解析だ。従来型との変化――つまり感染力、毒性、死亡率などの変異は常に留意しなくてはいけない。
「木を見て森を見ず」。全体像を把握した上で対策を講じなければ、現状は打破できない。

今回のモデル構築は、現時点で得られるわずかなデータからのシミュレーションだが、よりたくさんのデータが明らかになれば、モデル自体、さらに精緻化できるだろう。
また、この7段階モデルを通した議論が、現状の何を調べるべきか、どんなデータを集めるべきか、こうしたエビデンスベースの有効な新型コロナ対策を進める上での一助になって欲しいと願う。

【プロフィール】高橋泰(たかはし たい)氏
略歴 金沢大学医学部卒、東大病院研修医、東京大学大学院医学系研究科修了(医学博士(医療情報))、米国スタンフォード大学,ハーバード大学に留学後、1997年より国際医療福祉大学教授。
2018年4月より赤坂心理・医療福祉マネジメント学部長に就任、大学院医学研究科医療福祉管理学分野教授を兼任する。
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