雇調金の財源は枯渇しつつあるのだ。

雇調金の主な財源は、企業と従業員が負担する保険料だ。本来の雇調金は使用者のみ負担する保険料で賄われていたが、
それだけでは足りないので失業給付や育児休業給付などに使う労使折半の雇用保険料の積立金から1兆7000億円を借り入れている。
それと一般会計から1兆4000億円を繰り入れ、合わせて3兆3000億円の予算を確保している。

ところが前述したように12月25日時点で支給額は2兆5000億円に達し、2度目の緊急事態宣言が出た今、すぐ底をつくのは明らかだ。

それだけではなく雇用保険の積立金自体も2019年度末に4兆5000億円あった残高が失業給付や雇調金の借り入れで21年度末は1722億円に減ると厚労省は試算している。実に96%以上が消えることになるのだ。

雇調金の特例措置が延長されても、リストラに踏み切らない保証はない

すでに財源は、雇用を維持する休業手当にとどまらず、失職後の失業給付まで虫食い状態にある。財源がない中で雇調金の特例措置を延長するとなると、どうなるか。
企業と従業員が負担する雇用保険料を値上げするか、財政投入するしかない。まさに切羽詰まった状況となる。

企業で働く人々を絶望的にさせるのは、雇調金の特例措置が仮に延長されても、企業がリストラに踏み切らない保証はないということである。

従業員の給与だけを国が面倒をみても売り上げが下がれば企業の体力は徐々に低下していく。そうなると倒産回避のリストラは避けられないだろう。

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2021/01/12 13:00
https://president.jp/articles/-/42280